[第三話] お隣のデパートの商品券
中元ギフトセンターでのお話。
10件程度のお届け先への商品記入も済み、代金を計算しお客さんに伝えると、お客さんが封筒から商品券を出されて「はい、これで」と。
商品券を受け取り内容を確かめていたら、それはお隣のデパートの商品券。
(今は百貨店共通商品券が一般的だが、昔はそんなのなかった)
あっ、と思ったが、「これお隣のですよ」と言えば、苦笑いしながら、もしくは、恥ずかしそうに「あら、ごめんなさい」の言葉が返ってくるだろうと思ってた。
が、しかし、それを伝えるやいなや不機嫌な顔になり「えっ、違うのここ?」と周りも見渡しながら言ったあと「なんでここにあるのっ!」と。
「違うのここ?」はわかるにしても、「なんでここにあるのっ!」はどういうこと?
うちのデパートがお隣と隣接してる立地に対するクレーム?
だとしたら、「お隣に建てて紛らわしくしてごめんなさい」言わなきゃいけない?
先に建ってたのはお隣で、後から建ったのうちだし?
なんてことを考えながらも、せっかく届け先の住所を10件程度書かれて品選びまでされたのだから現金で支払いされるかもしれないと思い、「どういたしましょう?」と聞くと、「でも、これ使えないんでしょ!」と。
むろん、使えるわけがないので「はい、申し訳ございません」と答えるしかない。
すると、ますますもって憤懣やるかたなさ一杯の表情になり、「もういいわよっ!」と言って席を立たれ、「ほんとにもうっ!」と言いながらギフトセンターを去って行かれた。
お客さんの一連の態度に唖然とし、「おれ、悪くないよな」と心の中で静かにつぶやきながら、私はその背中を見送るしかなかったのである。

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「違うのここ?」はわかるにしても、「なんでここにあるのっ!」はどういうこと?
うちのデパートがお隣と隣接してる立地に対するクレーム?
だとしたら、「お隣に建てて紛らわしくしてごめんなさい」言わなきゃいけない?
先に建ってたのはお隣で、後から建ったのうちだし?
なんてことを考えながらも、せっかく届け先の住所を10件程度書かれて品選びまでされたのだから現金で支払いされるかもしれないと思い、「どういたしましょう?」と聞くと、「でも、これ使えないんでしょ!」と。
むろん、使えるわけがないので「はい、申し訳ございません」と答えるしかない。
すると、ますますもって憤懣やるかたなさ一杯の表情になり、「もういいわよっ!」と言って席を立たれ、「ほんとにもうっ!」と言いながらギフトセンターを去って行かれた。
お客さんの一連の態度に唖然とし、「おれ、悪くないよな」と心の中で静かにつぶやきながら、私はその背中を見送るしかなかったのである。

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