[第八話] 股下2ミリの攻防
池袋店2年目は紳士既製服、プレタポルテ、オーダー服の担当。
そんな2年目のある日、休み明けに出社するとたいそう細かなクレームが私を待ち構えていた。
バーゲンのスーツを買った顧客が、スラックスお直し後の寸法が短いとのクレームである。
スラックスの長さには、私もこだわる。
スーツの着こなしには重要なポイントでもある。
なので、その長さについてのクレームならばわからないではない、と思いながら担当にその内容を聞いてみる。
すると、その内容は「2ミリ短いとおっしゃるのです」と。
ん?2ミリ?
聞き間違いと思い、微笑みながら「2ミリって言った?」と改めて聞くと、「はい、2ミリです」と答える。
センチ単位の長短のクレームは経験あるが、2ミリはさすがにない。
と言うか、正直「ミリ単位でクレーム言ってくる顧客って、どうよ?」である。
「で、どうしたの?」と聞くと。
「預って修理する」と言わざるを得なかった、と。
でも、「直し場に持って行くと、2ミリの修理なんて不可能」と言われたのでどうしたものかと。
そりゃそうだ、2ミリなんて直しようがない。
そもそも、2ミリ程度の誤差は気温や湿度によって十分生じるし、折りジワによっても生じる。
また、測り方によってもそれぐらいの誤差は生じてしまう。
なので、「ちゃんと(その事)説明したの?」と聞くと、「はい、でも納得してくれないんです」と言う。
「う~ん、こりゃ厄介な顧客だなぁ」と思いながら、「まぁ、自分で実際測ってみるか」という事で、スラックスを丁寧に伸ばしメジャーをあててみる。
そして目を凝らしメジャーの目盛りを見る。
まるほど、よくよく見れば確かに指定の股下寸法76センチには微妙に足らない。よくよく見れば、だ。
2ミリまではいかない、でも1ミリとちょっと短いかな?くらい。
いやいや、メジャーの折りジワも軽くある。
メジャーを思い切り伸ばしてみる。
スラックスも今度はギュッと伸ばしてみる。
ん~、今度は1ミリ弱くらいかな?
目を皿の様にして見ないとわからないぐらいの誤差だ。
「まぁ、これぐらいだったら何とかなるだろっ」と思い、このまま夕方来られる事になっている顧客に対応することにした。
しかし、夕方現れた顧客はそんな甘い考えが通用する顧客ではなかったのである。
午後6時過ぎだっただろうか、いよいよその顧客登場である。
2ミリ云々を気にされる方なので「神経質そうな感じなんだろうな」と思っていたが、あにはからんや、普通である。
年齢の頃は、35、6といったところの、スーツの着こなしもまぁまぁの普通のサラリーマン。
その様子を見て、「こりゃ、なんとかなるな」と思いながら、まずは、売場の責任者であることを告げお詫び申し上げ、修理した事にした(2ミリの調整修理などムリなので、本当は修理してない)、件のスラックスの採寸をする。
顧客指定は股下寸法76センチ。
スラックスを丁寧に伸ばし、メジャーを引張り気味にあてスラックスにあてる。
あれっ?
2ミリほど足らない。
さきほどやった時には、1ミリ弱だったのに、あれっ?
で、顧客の様子は?と見ると、しっかり覗き込んで確認している。
が、その表情はスルーして何事もなかったかのように再度メジャーを目一杯伸ばして(気付かれないようにさりげなく)チャレンジ。
ん?
少し改善されたが、やはり足らない。
顧客はより露骨に覗き込んで見ており、その表情は明らかに不満そうだ。
が、それにめげず、「どうでしょうか?」と聞いてみる。
すると、顧客。
「あのねぇ、これは契約なんだよ、おたくの店と私の」
「私が76センチでお願いして、それを受けたんでしょ?」
「できなきゃ契約不履行じゃありませんか」と迫ってくる。
1ミリ2ミリで契約不履行とはまた仰々しいと思ったが、修理票にミリ単位の免責事項云々書いてあるはずもなく。
さらに、ここでまた「繊維製品は温度湿度によって・・・」などと言ってもややこしくなるだけと思い。
「もう一日お時間をいただけませんか?」とお願いをしてみる。
すると、「それじゃ、また明日来るから・・・今度はきちんとやってくださいよ、きちんと!」
と声高に言い残し、売場を去っていかれたのである。
その背中を見送ったあと、傍らに控えていた担当者と顔を合わせ「こりゃ、まいったね」である。
という言うより、最初計った時は1ミリを切ったのに、顧客の前でやると1ミリを超えたのが悔しい。
「もっと、練習しておけば良かった」と思ったが後のまつり。
ともかく、考えねばいけないのは明日までの対応である。
再修理はもちろんしない。
原状のままでいかに76センチにもっていくか。
その後は、その課題達成に向けてあれやこれやの時間を過ごすことになったのである。
1ミリちょい足らなくても満足しない顧客。
1ミリ短くてもシルエットは変らないし、折りジワでそれくらいは短くなるし、気温湿度によっても長短変化する。
正直、真面目に付き合ってられない。
が、こんな顧客の対応も勉強と思うことにして、というか、こっちも意地になり対応策の練り直しである。
まずは、大先輩であるオーダーサロンの上村さんと、イージーオーダーのベテラン派遣販売員の山川さんに相談をする。
事情を聞いた超楽天家の上村さんは他人事と思ってか楽しそうなニコニコ顔、真面目な山川さんは困った表情になる。
で、上村さん。
「メジャーあてる時、顧客にわかんないように2ミリほどメジャーをシュと下にずらせばいいじゃない」と嬉しそうにおっしゃる。
楽天家だけに、やはり、軽い。
「ダメですよ、この人はメジャーの先から先まで目を凝らして見てるんですから」と私が言うと、「そこをうまくやるんだよ」と嬉しそうに返してくる。
軽すぎる。
一方の山川さんは、終始困った表情である。
そんな山川さんに「こんな顧客いままでいました?」と聞くと、「いや~、いないです」と。
そりゃそうだ、それだけに真剣に困っているのだろう。
で、皆でもう一度それぞれ採寸してみて誤差を測ってみる。
スラックスを思いきり伸ばし、メジャーも思い切り伸ばし。
でも、3人がミリ単位でピッタリ同じにはならない。
しかも、皆76センチにはミリ単位では届かない。
つまり、このままでは明日も同じ結果になるということだ。
しょうがない、お直し場に頼んでちょっと長めに出してメジャー操作で誤魔化すか・・・と思っていたら、上村さんが「スチームをガンガンあててアイロンかけてみてもらったら?」と。
おっ、さっきまではお遊びで、やっと真剣に考えてくれたようだ。「なるほど」である。
早速、お直し場に持っていきスチームアイロンをかけてもらい売場に持ち帰る。
上村さんも山川さんもお待ちかねだ。
で、まずは私がメジャーをあててみる。
やった!76センチになった!
いや、厳密に言えば、コンマ数ミリオーバーだ。
長いのもダメ?
いや、あの顧客はたぶん短いことが許せないだけで、長いのは大丈夫だろう。
それに、そこらへんのメジャー操作は短いのを長く見せるほど難しくない操作なので何とかなる。
気づかれないように引っ張ってるメジャーを少し緩めればいい。
そうしよう。
問題は、今の状態が明日の夕方までもつか?にある。
乾ききってしまうともとに戻りそうだ。
なので、来店される少し前にアイロンをかけてもらわねばならない。
皆でそうしよう、そうしようと言うことになった。
そして、いよいよ最終攻防の時がやってきた。
まずは午前中に採寸をしてみる。
やはり、一晩経ったので76センチ足らずになっている。
でも、マイナス0.5ミリぐらいに改善されている。
今度は午後いちに採寸をしてみる。
午前中と変らない。
まだまだ早いが予行演習でアイロンをかけてもらう。
約1ミリ程度伸びた。
つまり、76.05センチくらいだ。
で、少しメジャーを緩めてみる。
おおっ、ピッタリ76センチ。
よし、いける!
顧客が来られるのは6時頃なので、5時半頃に再度アイロンをかけてもらえば良い頃合いだろう。
そんな段取りで来店を待つことにした。
そして5時半になり、アイロンがけ。
採寸をすると午後いちにやったのと変らない。
ちょっとゆるめにメジャーをあて、76センチピッタリにする練習を繰り返す。
いける、いける、大丈夫だ。
自信を持って、顧客を待つ。
6時になる。
で、10分過ぎ、20分を過ぎる。
アイロンをかけて50分を過ぎた事になる。
あれっ?
こんなに時間経過して、もしかして縮まない?
そんな不安にかられ、もう一回アイロンやっとく?
と思っていた時に顧客のご来店である。
自信を持ってお待ちしていたのだが、アイロンかけたあとの時間の経過が気にかかる。
かと言って、今からアイロンがけにも行けない。
もうこうなりゃ、いちかばちかである。
「お願い!」と念じながらメジャーをあてる、ただし縮んでいる不安があったので少し伸ばしぎみに。
おおぉ~、なんと76センチぴったりではないか。
もうこの手は絶対に動かさないぞ、と思いながら顧客の様子を伺う。
そして、目を凝らして寸法を確認している顧客に「如何でしょう?」と尋ねる。
すると、「いいでしょう」あっさりOKを出してくれたのである。
この何とも言えない達成感。
誇らしい気持ちにもなったのであるが、そんな表情など出せるわけもなく。
何度もお運びいただいた事に対してお詫びを申し上げ、顧客をお見送りしたのであった。
ただ、心配だったのは、自宅に帰られて再度寸法を測られた時には縮んでる?
しかし、その後その顧客からは再度クレームが来ることもなく、この騒動は一件落着となったのである。

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そんな2年目のある日、休み明けに出社するとたいそう細かなクレームが私を待ち構えていた。
バーゲンのスーツを買った顧客が、スラックスお直し後の寸法が短いとのクレームである。
スラックスの長さには、私もこだわる。
スーツの着こなしには重要なポイントでもある。
なので、その長さについてのクレームならばわからないではない、と思いながら担当にその内容を聞いてみる。
すると、その内容は「2ミリ短いとおっしゃるのです」と。
ん?2ミリ?
聞き間違いと思い、微笑みながら「2ミリって言った?」と改めて聞くと、「はい、2ミリです」と答える。
センチ単位の長短のクレームは経験あるが、2ミリはさすがにない。
と言うか、正直「ミリ単位でクレーム言ってくる顧客って、どうよ?」である。
「で、どうしたの?」と聞くと。
「預って修理する」と言わざるを得なかった、と。
でも、「直し場に持って行くと、2ミリの修理なんて不可能」と言われたのでどうしたものかと。
そりゃそうだ、2ミリなんて直しようがない。
そもそも、2ミリ程度の誤差は気温や湿度によって十分生じるし、折りジワによっても生じる。
また、測り方によってもそれぐらいの誤差は生じてしまう。
なので、「ちゃんと(その事)説明したの?」と聞くと、「はい、でも納得してくれないんです」と言う。
「う~ん、こりゃ厄介な顧客だなぁ」と思いながら、「まぁ、自分で実際測ってみるか」という事で、スラックスを丁寧に伸ばしメジャーをあててみる。
そして目を凝らしメジャーの目盛りを見る。
まるほど、よくよく見れば確かに指定の股下寸法76センチには微妙に足らない。よくよく見れば、だ。
2ミリまではいかない、でも1ミリとちょっと短いかな?くらい。
いやいや、メジャーの折りジワも軽くある。
メジャーを思い切り伸ばしてみる。
スラックスも今度はギュッと伸ばしてみる。
ん~、今度は1ミリ弱くらいかな?
目を皿の様にして見ないとわからないぐらいの誤差だ。
「まぁ、これぐらいだったら何とかなるだろっ」と思い、このまま夕方来られる事になっている顧客に対応することにした。
しかし、夕方現れた顧客はそんな甘い考えが通用する顧客ではなかったのである。
午後6時過ぎだっただろうか、いよいよその顧客登場である。
2ミリ云々を気にされる方なので「神経質そうな感じなんだろうな」と思っていたが、あにはからんや、普通である。
年齢の頃は、35、6といったところの、スーツの着こなしもまぁまぁの普通のサラリーマン。
その様子を見て、「こりゃ、なんとかなるな」と思いながら、まずは、売場の責任者であることを告げお詫び申し上げ、修理した事にした(2ミリの調整修理などムリなので、本当は修理してない)、件のスラックスの採寸をする。
顧客指定は股下寸法76センチ。
スラックスを丁寧に伸ばし、メジャーを引張り気味にあてスラックスにあてる。
あれっ?
2ミリほど足らない。
さきほどやった時には、1ミリ弱だったのに、あれっ?
で、顧客の様子は?と見ると、しっかり覗き込んで確認している。
が、その表情はスルーして何事もなかったかのように再度メジャーを目一杯伸ばして(気付かれないようにさりげなく)チャレンジ。
ん?
少し改善されたが、やはり足らない。
顧客はより露骨に覗き込んで見ており、その表情は明らかに不満そうだ。
が、それにめげず、「どうでしょうか?」と聞いてみる。
すると、顧客。
「あのねぇ、これは契約なんだよ、おたくの店と私の」
「私が76センチでお願いして、それを受けたんでしょ?」
「できなきゃ契約不履行じゃありませんか」と迫ってくる。
1ミリ2ミリで契約不履行とはまた仰々しいと思ったが、修理票にミリ単位の免責事項云々書いてあるはずもなく。
さらに、ここでまた「繊維製品は温度湿度によって・・・」などと言ってもややこしくなるだけと思い。
「もう一日お時間をいただけませんか?」とお願いをしてみる。
すると、「それじゃ、また明日来るから・・・今度はきちんとやってくださいよ、きちんと!」
と声高に言い残し、売場を去っていかれたのである。
その背中を見送ったあと、傍らに控えていた担当者と顔を合わせ「こりゃ、まいったね」である。
という言うより、最初計った時は1ミリを切ったのに、顧客の前でやると1ミリを超えたのが悔しい。
「もっと、練習しておけば良かった」と思ったが後のまつり。
ともかく、考えねばいけないのは明日までの対応である。
再修理はもちろんしない。
原状のままでいかに76センチにもっていくか。
その後は、その課題達成に向けてあれやこれやの時間を過ごすことになったのである。
1ミリちょい足らなくても満足しない顧客。
1ミリ短くてもシルエットは変らないし、折りジワでそれくらいは短くなるし、気温湿度によっても長短変化する。
正直、真面目に付き合ってられない。
が、こんな顧客の対応も勉強と思うことにして、というか、こっちも意地になり対応策の練り直しである。
まずは、大先輩であるオーダーサロンの上村さんと、イージーオーダーのベテラン派遣販売員の山川さんに相談をする。
事情を聞いた超楽天家の上村さんは他人事と思ってか楽しそうなニコニコ顔、真面目な山川さんは困った表情になる。
で、上村さん。
「メジャーあてる時、顧客にわかんないように2ミリほどメジャーをシュと下にずらせばいいじゃない」と嬉しそうにおっしゃる。
楽天家だけに、やはり、軽い。
「ダメですよ、この人はメジャーの先から先まで目を凝らして見てるんですから」と私が言うと、「そこをうまくやるんだよ」と嬉しそうに返してくる。
軽すぎる。
一方の山川さんは、終始困った表情である。
そんな山川さんに「こんな顧客いままでいました?」と聞くと、「いや~、いないです」と。
そりゃそうだ、それだけに真剣に困っているのだろう。
で、皆でもう一度それぞれ採寸してみて誤差を測ってみる。
スラックスを思いきり伸ばし、メジャーも思い切り伸ばし。
でも、3人がミリ単位でピッタリ同じにはならない。
しかも、皆76センチにはミリ単位では届かない。
つまり、このままでは明日も同じ結果になるということだ。
しょうがない、お直し場に頼んでちょっと長めに出してメジャー操作で誤魔化すか・・・と思っていたら、上村さんが「スチームをガンガンあててアイロンかけてみてもらったら?」と。
おっ、さっきまではお遊びで、やっと真剣に考えてくれたようだ。「なるほど」である。
早速、お直し場に持っていきスチームアイロンをかけてもらい売場に持ち帰る。
上村さんも山川さんもお待ちかねだ。
で、まずは私がメジャーをあててみる。
やった!76センチになった!
いや、厳密に言えば、コンマ数ミリオーバーだ。
長いのもダメ?
いや、あの顧客はたぶん短いことが許せないだけで、長いのは大丈夫だろう。
それに、そこらへんのメジャー操作は短いのを長く見せるほど難しくない操作なので何とかなる。
気づかれないように引っ張ってるメジャーを少し緩めればいい。
そうしよう。
問題は、今の状態が明日の夕方までもつか?にある。
乾ききってしまうともとに戻りそうだ。
なので、来店される少し前にアイロンをかけてもらわねばならない。
皆でそうしよう、そうしようと言うことになった。
そして、いよいよ最終攻防の時がやってきた。
まずは午前中に採寸をしてみる。
やはり、一晩経ったので76センチ足らずになっている。
でも、マイナス0.5ミリぐらいに改善されている。
今度は午後いちに採寸をしてみる。
午前中と変らない。
まだまだ早いが予行演習でアイロンをかけてもらう。
約1ミリ程度伸びた。
つまり、76.05センチくらいだ。
で、少しメジャーを緩めてみる。
おおっ、ピッタリ76センチ。
よし、いける!
顧客が来られるのは6時頃なので、5時半頃に再度アイロンをかけてもらえば良い頃合いだろう。
そんな段取りで来店を待つことにした。
そして5時半になり、アイロンがけ。
採寸をすると午後いちにやったのと変らない。
ちょっとゆるめにメジャーをあて、76センチピッタリにする練習を繰り返す。
いける、いける、大丈夫だ。
自信を持って、顧客を待つ。
6時になる。
で、10分過ぎ、20分を過ぎる。
アイロンをかけて50分を過ぎた事になる。
あれっ?
こんなに時間経過して、もしかして縮まない?
そんな不安にかられ、もう一回アイロンやっとく?
と思っていた時に顧客のご来店である。
自信を持ってお待ちしていたのだが、アイロンかけたあとの時間の経過が気にかかる。
かと言って、今からアイロンがけにも行けない。
もうこうなりゃ、いちかばちかである。
「お願い!」と念じながらメジャーをあてる、ただし縮んでいる不安があったので少し伸ばしぎみに。
おおぉ~、なんと76センチぴったりではないか。
もうこの手は絶対に動かさないぞ、と思いながら顧客の様子を伺う。
そして、目を凝らして寸法を確認している顧客に「如何でしょう?」と尋ねる。
すると、「いいでしょう」あっさりOKを出してくれたのである。
この何とも言えない達成感。
誇らしい気持ちにもなったのであるが、そんな表情など出せるわけもなく。
何度もお運びいただいた事に対してお詫びを申し上げ、顧客をお見送りしたのであった。
ただ、心配だったのは、自宅に帰られて再度寸法を測られた時には縮んでる?
しかし、その後その顧客からは再度クレームが来ることもなく、この騒動は一件落着となったのである。

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