[第四話] ジャビットの憂鬱
ジャイアンツ優勝セールを広島と名古屋で開催するか否か?
長らくその回答は来なかったが、朝晩が涼しくなりジャイアンツ優勝まであと1カ月の猶予もないころ両店の要望を了とする通知が届いた。
商売人としては売上拡大のチャンスを逃す決定かもしれないが、果たして広島で開催したところで売上に貢献したかどうか?
むろん、野球に無関心で安く買えるならそのタイトルがどうだろうと関係なく買われる方もいらっしゃるだろうが、だからと言って広島に店を構えてながらジャイアンツの優勝を祝う店が存立できようか。
一時的に潤うことがあったとしても私は「存立などできない」と今でも思っている。
また、そのことより何より、ジャイアンツの歌が一日中流れる店内にオレンジのセール看板が林立し、オレンジの法被を着て店頭に立つなど想像するだけで悪寒が走るわけで、この決定通知に心底ホッとしたのである。
さて、目出度く優勝セールは回避し、そのタイトルは「カープ応援ありがとうセール」となりジャイアンツ優勝翌日から開催決定となる。
かつてそんなタイトルのセールはしたことなどなく、お客さんからすれば唐突感満載で売上への期待はあまりしていなかった。
が、優勝マジックが一桁を迎えようとした時期から本社手配の商品が次から次へと広島にも納品になる。
待て待て、そんなに入ってきてどうする?である。
しかも、その商品が入ったダンボールの一個一個には優勝セール用商品とわかるようジャビットのイラストの張り紙がバンバン張られている。
想像して欲しい、ジャビットだらけの職場風景を。
それが、どの階の裏通路に行ってもジャビットの山。
しばらくの間、お店の裏通路はジャビットに占領されることになったのである。
つづく。

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むろん、野球に無関心で安く買えるならそのタイトルがどうだろうと関係なく買われる方もいらっしゃるだろうが、だからと言って広島に店を構えてながらジャイアンツの優勝を祝う店が存立できようか。
一時的に潤うことがあったとしても私は「存立などできない」と今でも思っている。
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さて、目出度く優勝セールは回避し、そのタイトルは「カープ応援ありがとうセール」となりジャイアンツ優勝翌日から開催決定となる。
かつてそんなタイトルのセールはしたことなどなく、お客さんからすれば唐突感満載で売上への期待はあまりしていなかった。
が、優勝マジックが一桁を迎えようとした時期から本社手配の商品が次から次へと広島にも納品になる。
待て待て、そんなに入ってきてどうする?である。
しかも、その商品が入ったダンボールの一個一個には優勝セール用商品とわかるようジャビットのイラストの張り紙がバンバン張られている。
想像して欲しい、ジャビットだらけの職場風景を。
それが、どの階の裏通路に行ってもジャビットの山。
しばらくの間、お店の裏通路はジャビットに占領されることになったのである。
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