[番 外] 学校でも野次
子供たちが小学生だった頃のお話。
男子はソフトボール、女子はフットベースボールの学区内町内対抗戦が休日のグランドで開催されていた。
娘は小6でフットベースボールへ参加、息子は小3でソフトボールへ参加だったが、まだバットを持つのもやっとの息子が心配なので、私はソフトボールを観戦することにした。
小学生の頃は、同じ小学生とは言え高学年と低学年じゃえらい違い。
うちの町内チームはちょうど高学年が少ないタイミングで、相手チームは高学年が揃っており勝つことなどまったく期待せずに試合開始を待つことにする。
試合はうちのチームが先行。
上位は少ないながらも高学年が並ぶ。
下位は小2や小3ばかりだから上位で少しは点がとれないかな、と思いながら相手のピッチャーの試合前投球を見たらば、本格的なウィンドミル投法ですごい球が。
こりゃとてもじゃないが打てんなと思いながらプレイボール。
案の定、上位打線もきりきり舞い。
一緒に見てたお父さんが言うには、その子はソフトボール部のエースだそうだ。
そんなんが町内の大会で本気で投げてええんかいのとは思ったが、町内大会とは言え勝負の世界、と黙っておとなしく見ていたのであるが、守備になれば低学年が多いうちのチームはザルの如き。
大量失点で試合早々大差のつく展開となる。
そうして迎えた3回の攻撃。
1回2回の攻撃は3人ずつ片付けられ、打順は7番から。
そこからはますます非力な低学年が並ぶことになる。
勝つなんて思いもしてなかったので、気軽な気持ちで見ていたはずなのだが、3回の攻撃の場面は私を炎上させるに足る展開になってしまうのであった。
7番は小3のうちの息子。
バットの方が身長より長いんじゃないか?な感じの打席だ。
当然そんなのを見たら相手のピッチャーも打ちやすい球を投げてくれるだろうと思ってた。
しかし、初球を見て「え?」
手加減一切なしの速球がキャッチャーのミットに収まる。
その後も手加減など一切なし、あっと言う間に三振だ。
バット振る間もありゃしない。
8番は息子より小さな小2の子。
その子に対する初球も手加減無しの速球勝負。
さすがに見るにみかねた私が第一声を発する。
「もうちいと優しゅう投げちゃれいや」
聞こえたか聞こえんかわからないが、2球目も手加減無しの速球が。
「おい、ヒットなんか打ちゃぁせんのじゃけ、打たしちゃれいや」
それでも、速球を投げ込み三球三振。
9番の子が打席に立っても私の声など無視の投球に声が大きく荒くなる。
「小さいの相手に三振とっておまえは嬉しいんか」
「エースかなんか知らんが、小さいの相手にバカみたいに必死で投げてよう恥ずかしゅうないの」
「おい、聞こえとんかこらぁ」
その後も何を言ったかもう20年近く前のこと、具体的に覚えてないがそんなもんですまなかったのは確かである。
そして、学校でも野次りまくった翌日。
小学校から帰ってきた娘。
今日○○君が、昨日ソフトボールの試合で野次るおっさんがおってうるさかったんじゃ言いよったけ「たぶんそれうちの父さんじゃ」言うといたけ、と。
続いて「父さんしかおらんじゃろ?そんなこと言うのは」とニコニコしながら聞くので「おぉ、わしわし」とVサインを出して答える。
さすが、市民球場で野次る私を小さい頃から知る娘なのであった。

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男子はソフトボール、女子はフットベースボールの学区内町内対抗戦が休日のグランドで開催されていた。
娘は小6でフットベースボールへ参加、息子は小3でソフトボールへ参加だったが、まだバットを持つのもやっとの息子が心配なので、私はソフトボールを観戦することにした。
小学生の頃は、同じ小学生とは言え高学年と低学年じゃえらい違い。
うちの町内チームはちょうど高学年が少ないタイミングで、相手チームは高学年が揃っており勝つことなどまったく期待せずに試合開始を待つことにする。
試合はうちのチームが先行。
上位は少ないながらも高学年が並ぶ。
下位は小2や小3ばかりだから上位で少しは点がとれないかな、と思いながら相手のピッチャーの試合前投球を見たらば、本格的なウィンドミル投法ですごい球が。
こりゃとてもじゃないが打てんなと思いながらプレイボール。
案の定、上位打線もきりきり舞い。
一緒に見てたお父さんが言うには、その子はソフトボール部のエースだそうだ。
そんなんが町内の大会で本気で投げてええんかいのとは思ったが、町内大会とは言え勝負の世界、と黙っておとなしく見ていたのであるが、守備になれば低学年が多いうちのチームはザルの如き。
大量失点で試合早々大差のつく展開となる。
そうして迎えた3回の攻撃。
1回2回の攻撃は3人ずつ片付けられ、打順は7番から。
そこからはますます非力な低学年が並ぶことになる。
勝つなんて思いもしてなかったので、気軽な気持ちで見ていたはずなのだが、3回の攻撃の場面は私を炎上させるに足る展開になってしまうのであった。
7番は小3のうちの息子。
バットの方が身長より長いんじゃないか?な感じの打席だ。
当然そんなのを見たら相手のピッチャーも打ちやすい球を投げてくれるだろうと思ってた。
しかし、初球を見て「え?」
手加減一切なしの速球がキャッチャーのミットに収まる。
その後も手加減など一切なし、あっと言う間に三振だ。
バット振る間もありゃしない。
8番は息子より小さな小2の子。
その子に対する初球も手加減無しの速球勝負。
さすがに見るにみかねた私が第一声を発する。
「もうちいと優しゅう投げちゃれいや」
聞こえたか聞こえんかわからないが、2球目も手加減無しの速球が。
「おい、ヒットなんか打ちゃぁせんのじゃけ、打たしちゃれいや」
それでも、速球を投げ込み三球三振。
9番の子が打席に立っても私の声など無視の投球に声が大きく荒くなる。
「小さいの相手に三振とっておまえは嬉しいんか」
「エースかなんか知らんが、小さいの相手にバカみたいに必死で投げてよう恥ずかしゅうないの」
「おい、聞こえとんかこらぁ」
その後も何を言ったかもう20年近く前のこと、具体的に覚えてないがそんなもんですまなかったのは確かである。
そして、学校でも野次りまくった翌日。
小学校から帰ってきた娘。
今日○○君が、昨日ソフトボールの試合で野次るおっさんがおってうるさかったんじゃ言いよったけ「たぶんそれうちの父さんじゃ」言うといたけ、と。
続いて「父さんしかおらんじゃろ?そんなこと言うのは」とニコニコしながら聞くので「おぉ、わしわし」とVサインを出して答える。
さすが、市民球場で野次る私を小さい頃から知る娘なのであった。

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