広島カープと私

[第二話] 市民球場魂

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市民球場での観戦。
当時はくそ弱かったので、たいがいが負け試合。
となると、よけいに其処此処から激しい野次が飛ぶことになる。

「わりゃ金玉ついとるんかこらぁ」
「ぶちあてちゃれ、やりあげちゃれ」
「こんなら、生きて帰れるおもうとるんか」

最初は怖いのなんのだったのだが、次第に慣れてきていつのまにか当たり前になってくる。

そんなある日、巨人ファンがあろうことか巨人の得点に思わず拍手してしまった。
すかさず「ありゃ?あこへ巨人ファンがおるで」とひとりのおっさんが。

すると「ええ根性しとるじゃないか」「わりゃ、ここ何処じゃ思うとるんなら」の声が周りからしたと同時にメガホン代わりにしてた底を取っ払った紙コップがそこへめがけて3つ4つ飛んでいく。
(当時は、他球団のファンは鳴り物の応援なんてとんでもない、拍手することすらありえない時代だった)

その頃の私はもう驚くこともなく「なんと頼もしいおじさん達だ!」と感激し心の中で大拍手。まだ一緒に野次ることまではできないが、おじさん達の野次に対し「ほうじゃほうじゃ、もっと言うちゃれ!」と心の中でけしかけるようになったのである。

その体験から「カープファンはこうあるべき」と信じ奉ることになり、数年後には甲子園球場の阪神ファンに取り囲まれる中でも決して動じることないカープファンへと成長していくのであった。



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